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牛乳本来のあり方を問うパスチャライズド牛乳


「牛乳キャンペーン」や、引き続いての牛乳交流会では皆さんにずいぶんとお世話になりました。私たち牛乳工場は組合員の熱意と日々の努力によって支えられているのだなあと改めて実感しました。ただ、交流会などでは時間も限られ、お話したいことが十分に伝えられないもどかしさも感じていました。2001年5月からはいよいよ全単協びん容器に衣替えして、おいしさも更にアップしました。そこで、この機会に、交流会などで語りつくせなかった思いも含めて、もう一度生活クラブ牛乳のトータルな良さを確認してみたいと思います。
まずは、酪農生産者がいまどんな状況にいるのか、そんな中で何を考えているのかを知っていただきます。そして、皆さんが生活クラブの牛乳を飲むことで、近郊地の酪農に対して、はては日本の農業のあり方にまで、主体的に関わっているのだという事実を確認して頂きたいと思います。


〜牛乳は生乳に近いものを飲みたい〜

最近の「牛乳キャンペーン」や「牛乳交流会」などでは、「白濁試験」という水溶性たんぱく質の熱変性を見る実験をやりながら、なぜ生活クラブは72℃15秒間殺菌のパスチャライズドなのかについてお話ししています。母乳にしろ牛乳にしろ、哺乳動物の乳というものは母親が子供を育てるために血液から作られるものです。搾乳された時点ですでに完成された食べ物であり、本来、殺菌せずにそのまま飲むべきものです。牛乳がカルシウムの吸収がいいのも、牛乳のカルシウムは初めから骨になるためのカルシウムだからでしょう。そのために、吸収を助ける仕組みが生のミルクの中に様々な形で含まれているのです。


〜生乳の良さを生かすパスチャライズド〜

では、なぜ殺菌するかといえば、病原菌が心配だからです。牛乳に熱を加えることの利点は、病原菌を殺したり保存性を高めたりすること以外にはありません。逆に、過度な加熱はミルクが持っている「やさしく消化吸収される仕組み」が壊れたり、焦げ臭が出て風味が悪くなったりするなどの欠点がある事がわかっています。白濁試験をご覧になられた方は、この違いをはっきり確認していただけたと思います。だから、冷蔵で1週間程度の日持ちがすればいい普通の牛乳は「病原菌は十分に殺すことができ、かつ、生乳の良さをできるだけ損なわない殺菌方法」であるパスチャライズドで殺菌しましょうと世界的なルールとして決められているのです。日本で普通に売られている120℃〜130℃で2秒という熱処理方法(UHT)の牛乳は、実はLL牛乳(ロングライフ)などの保存牛乳を作る方法であり、缶詰の中身のような牛乳と言っていいものだったのです。
生活クラブの牛乳も、工場ができたときは120℃で2秒のUHTで牛乳を製造していました。その後、牛乳についての学習を重ねる中で「本来の牛乳はパスチャライズドである」ことを全体で確認し、1987年から72℃15秒間のHTSTに切り替えました。生活クラブのパスチャライズドは「差別化商品」ではありません。牛乳の本来のあり方としてパスチャライズドを選択しているのです。パス乳をきっちり作るためには高い乳質と、搾乳してすぐ殺菌する鮮度が求められます。それは近郊地の酪農抜きには考えられません。生産と消費の関係を適正なものにするためにも飲用牛乳の標準はパス牛乳であるべきなのです。


〜メーカーの利益から、健康食品ともてはやされる加工乳〜

ところが、現在の牛乳事情は明らかに私たちの考え方とは逆行しています。牛乳の標準は相変わらずUHT牛乳であり、おまけに再生産が困難なほどの安売りがされています。低温殺菌牛乳などのパス乳も、都会の大手スーパーや他の生協などで手軽に買えるようにはなりましたが、依然「差別化牛乳」の扱いのままです。普通牛乳で利益の出せなくなった乳業メーカーは「カルシウム添加牛乳」や「低脂肪加工乳」を、さも健康にいいように宣伝しながら売上を伸ばしています。脱脂粉乳などの乳製品で作られるこれらの製品のほうが牛乳より利益になるのです。一方、牛乳を手軽にカルシウムの取れる栄養食品程度にしか理解していない消費者は、こちらのほうが体に良さそうだと牛乳と思って買っています。乳業工場の大型再編と生乳の広域流通はこの流れをさらに助長していくでしょう。食品産業が栄えながらも農業が衰退していくのと同様に、乳製品の消費が増えても近郊地の酪農は衰退の一途をたどっているのです。


〜私たちの近郊地酪農を守り牛乳本来のあり方を問う〜

繰り返しになりますが、牛乳は本当にすばらしい食べ物です。チーズを作ると実感するのですが、ミルクは生きています。自然の神秘と恵みが凝縮しているからでしょう。それを生産する酪農も自然の恵みを体現する夢のある農業です。牛は胃袋を通して人間の食べられない草をミルクや肉に変えてくれます。土・草・牛の循環は、子供たちに自然の循環の中で私たちが生きていることの絶好の教材となるでしょう。近郊地の有機農業にとっても酪農は欠かせない存在です。
 牛乳は栄養ドリンクなどのような工業製品ではありません。1滴の牛乳を搾るのに長い時間と広大な農地が必要なのです。おいしくて、安全で、子供の未来を守ることのできる食べ物を皆さんも欲しいと思っていることでしょう。私たちの近くに、私たちのために、食べ物を生産する生産者がいなくては話しになりません。そのために、生活クラブの組合員は20年前に自前の牛乳工場を持ち、自ら「生産する消費者」として責任を果たそうとしたのだと思います。
先日の牛乳交流会でのことですが、ある組合員の方が「生活クラブの牛乳は子供も好きで取りたいのだけれどロットが大変で、飲む量の減る冬場は別の生協のパス乳を利用しています」という話をされていました。生活クラブの組合員だけあって、牛乳に対するこだわりはさすがだなあと感心したのですが、生活クラブの牛乳が組合員にとって「こだわり牛乳」の中の選択肢の一つにすぎないとしたらとても残念に思います。
第5次牛乳政策で生活クラブは「びん牛乳」を目玉に、新たな利用結集運動に総力を上げて取り組むことになりました。1合びんの宅配で始まった日本の飲用牛乳ですが、紙パックの出現で宅配牛乳はすっかり影をひそめてしまいました。いつのまにか牛乳は1リットルの紙パックをスーパーで買うのが当たり前になりました。そして、卵といっしょにスーパーの安売りの目玉商品になってしまいました。経済合理性だけで突き進んできた時代の限界があらわになった今、生活クラブはびん牛乳でもう一度、牛乳の流通を自分たちでリードしようとしています。使い捨ての利便性を捨て、牛乳に一番適した容器であるびんを選択することで、便利が当たり前の自分たちの生活そのものも見直すきっかけを作ろうというのです。
現在の配達システムは紙パックを前提にしたものです。びん牛乳には少なからず無理があります。そこで、宅配を基本としたシステムに作り変えることも目指しています。大手系列の販売店がカルシウム添加牛乳の宅配で、年配者に薬として飲ませようとしていますが、生活クラブは再度びん牛乳を家庭で当たり前に飲める社会を目指そうとしているのです。現在売られているびん牛乳は5合びんで400円から500円するのが普通です。差別化牛乳の頂点にあるようなびん牛乳を、毎日、当たり前に飲めるシステムを私たちは作ろうとしているのです。
交流会ではよく組合員の方から「市販品と比べた生活クラブ牛乳の良さとは何ですか」「○○生協の△△牛乳との違いは何ですか」と聞かれます。今まで述べてきたように、生活クラブの牛乳はどこかの「こだわり牛乳」を選んだり、誰かにお願いして作ってもらっている牛乳ではありません。今から20年前に皆さん方が牛乳工場を作り、酪農家と一緒になって1から作り上げ育ててきた牛乳なのです。自分の食べる食べ物に自ら責任を持ち、関わることでここまで来ました。今はちょっとつらい時期ですが、足場を固めてもっともっと大きく育てていきましょう。この関係こそが他の牛乳との一番の違いだと交流会でいつも強調しています。


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